飛騨の昔遊び 水浴び

夏休みに入ると色々な楽しみがあるが、水浴びもその一つであった。
昭和30年代の飛騨にはプールがある学校は無く、河川の深みが唯一の水泳場であり、それは父兄の手によって木材等で堰き止められ、適当な深さになっていた。
学校ではそれぞれの地域で場所を指定していたが、こっそりと隣の水泳場にも行ってみたりしたものである。
当時、水着などは有るはずも無く、男子は手ぬぐいをベルトで締めた褌スタイル、女子はシュミーズで泳いでいたものであり、今思えば可笑しい姿であるが、皆が同じ格好をすれば恥ずかしさ知らずである。
更衣室もなく、その辺の草むらで着替えると急いで水に入る。アマといって大きな水中眼鏡は息で曇るため、ヨモギを潰してその汁を塗る。また耳栓代わりに使うのも草の葉を丸めたもの。
上級生からの教えで課外授業は身を持っての体験の場となる。
白い手頃な石を沈め、潜ってそれを探してみたり、ヤス(モリのこと)を使って小魚を突いたり、息を止めてどれだけ遠くまで泳げるかの競争と、次から次にと遊びは続いた。
気が付けば唇は紫色、その後は岩上で寝そべるトドの群れとなる。
見上げれば蒼い空と入道雲が白く輝き目に痛い。何処からとも無くアブラゼミの声と夏草の香りがする。
夏休みの残りの日数を数え、満足な時を過ごしたものである。
[PR]
by yoas23 | 2006-07-24 20:02 | 飛騨の昔遊び
<< 飛べない昆虫 コブヤハズカミキリ 野麦峠 >>