飛騨の昔遊び アイスキャンデー

鉦の音が「チリンチリン」と聞こえる。
次いで「♪キャンデー・キャンデー・アイスキャンデー」の声も。
売主は自転車の荷台に大きな箱を載せ、幟にはアイスキャンデーの文字がある。
強い日差しに先ほど蒔いた打ち水が、まるで嘘のように乾き切ってしまい、道路の先には陽炎が見える。
アイスキャンデー売りや金魚売りは夏の風物詩だった。
また、たまには粗末であったがアイスクリームも売りに来た。半円型の小さなモナカの皮にへらで掬って入れてくれるもので、こちらはキャンデーの5円より高く10円もした。
金魚はシーズンに一度買えば良いのだが、アイスはそうは行かない。
一日のうち早くに、子供に小遣いをせがまれ渡してしまった親にしてみれば、午後に来るかも知れないキャンデー売りの音は、地獄を連想させるものだったであろう。
騒ぐ子供に仕方なく、この日二度目のお小遣い・・・となるのである。
アイスキャンデーと言っても今ほど美味しいものではなく、甘さ控えめのダイエット用みたいで、理科の実験の時に作った試験管アイスほどのものだったが、氷なんて他に無いのだから皆飛び付いたものだ。
中学生時代になってようやく駄菓子屋でアイスクリームやアイスモナカなども買うことが出来るようになり、名糖のホームランバーや井村屋のあずきバーなどが人気を呼んだ。
それでもその時代はまだ電気冷凍庫ではなく、ドライアイスの冷蔵庫しかなかったのである。
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by yoas23 | 2006-08-02 07:29 | 飛騨の昔遊び
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