地巣狩り

昔の遊びで「地巣狩り」というのがあった。
秋になって頬を撫でる風が冷たく感じられる頃になると誰が言うでもなく「じすがりに行こうぜ~」と。
5~6人集まると勇んで近所の山裾へと向かった。
地巣狩りとはクロスズメバチの巣を採ることを言い、東濃や信州ではヘボ採りの名で親しまれている。
用意するものはマッチと使えなくなった歯ブラシ、それに真綿とカエルのモモ肉。
陽だまりの中カエルの肉に集まったクロスズメバチに、肉片を付けた目印の真綿を持たせ後を追う。
見失っても何度か続けるうちに巣の在りかが発見できる。
さてそれから巣の採集に掛かるのだが、たいがいこのあたりで一人くらいは蜂に刺されるものである。
蜂は黒い部分を攻撃してくるので坊主頭は格好の標的となり、頭上を幾匹かの集団が旋回しており、「いてて!」の声が響く。
それでもそんな時は大勢だと心強いもので、そ知らぬ顔をして巣へと挑む。
セルロイド製の歯ブラシの柄を燃やすと黒い煙が勢い良く出る。それを巣穴へと突っ込んで暫く待つと蜂がおとなしくなるので、そうなればこっちのもの、何段にも重なった蜂の巣の収穫となる。
子供がそれをどう料理したかは覚えていないが、ただ採集することへの興味だったような気がする。
蜂に刺されるとアンモニアを塗るのが良いとされ、刺された者は小便を頭に塗って帰り道へと着いたものであった。
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by yoas23 | 2006-11-17 23:27 | 飛騨の昔遊び
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