鵺鳥 (ぬえどり)

先日キャンプをした時、夜中に寂しげな鳴き声が聞こえて来ました。
「フィー、フィー・・・」と森中にこだましています。
以前も夜中に懐中電灯の灯りを頼りに、釣りポイントへ急ぐ山道で何度も耳にしたことがあり、寂しさを感じる反面どこか懐かしい気すらします。

これは一般に鵺(ぬえ)の鳴き声と呼ばれているもので、横溝正史原作の映画のキャッチコピー「鵺の鳴く夜は恐ろしい」から来たものと思われましたが、
実は万葉集に既に鵺の歌が詠まれています。
 「よしゑやし 直ならずとも ぬえ鳥の うら泣き居りと 告げむ子もがも」
(柿本人麻呂)
 「ひさかたの 天の川原に ぬえ鳥の うら泣きましつ すべなきまでに」
(柿本人麻呂)
などです。
それまでは鵺といえば頭はサル、体は獅子、手足はトラ、尾はヘビのような格好をした怪物のことだったようです。
色々不思議な感じがするのも、長い間この声の主が分からなかったことも原因のようです。

江戸時代になってからその声はトラツグミの声だと分かりましたが、今でも暗闇の中、見ようにも見られない鳥の姿は謎のようです。
私は父から「心中鳥の鳴き声」と教わりましたが、飛騨ではこんな呼び方もしていたようです。
その意味は心中した相手を呼び合っているとか・・・そういえば違った方向からも聞こえて来て、相い呼び合っているようです。
森の中でもしキャンプをされたら、夜中から明け方にかけて特に鳴き声に注意してみて下さい。
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by yoas23 | 2007-06-05 07:11 | 日々の発見
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